私に売れないモノはない!を読んでの感想

私に売れないモノはない!を読んでの感想を書いてもらいました。

「私に売れないモノはない!」
ジョー・ジラード著

35歳から未経験で飛び込んだ自動車セールスマンのビジネステクニックの数々を公開している。店でお客を待っている間の時間が無駄、逆にお客に会っている時間を増やせば売れる確率も当然あがる。この当然の事に気づき、打率をあげる為にしたのは自分で自分を宣伝する事である。

自分が何者で何を売って生業を立てているか、また自分ほど優良なセールスマンは中々いない、
自分と取引出来すればあなたも得をする、とディーラー以外の生活圏で宣伝して回った。いつも物を買うお店、受け持ち区域の床屋、塗装屋、銀行の融資係などなど。そして著者が協力者と呼ぶ彼らが、シボレーを欲しがっているお客を著者に紹介する。
もし商談が成立すれば、紹介料として25ドルを得る。

ほとんどの場合、優秀なセールスマンである著者とのオフィスでの交渉でお客はシボレーを得て笑顔で帰ってゆくのだからサイドビジネスとしては上々である。
種明かしは簡単である。こうして見込み客を増やして時期が来ればアプローチを掛けるなり、紹介者の裏書きのある名刺を持って来店する。著者の言葉を借りるなら「観覧車に乗せる」となる。この25ドルを協力者に払う行為は州によっては違法なので気をつけた方が良いと著者は言っている。

日本で同じく車のセールスマンが契約者に金品を渡せばどうなるか?違法なのかは分からないが、新聞拡張員では違法であった。
というのも私が大学時代に某新聞社のそのアルバイトをやっていたので知っているのだ。担当区内で一件の成約につき数千円からの出来高報酬がバイト先より貰える。新聞購読期間が三ヶ月から半年、一年などランクによって貰える額が変わる。
成約がなければ給料はゼロというシビアな世界であった。13時から19時まで受け持ち区域を一軒一軒まわる。

当時はまだまだ新聞が読まれていた時代なので割と話は聞いてくれるのだが成約まではいかない。先輩に一日ついて売り方のコツを自分で掴むといった講習しかなかったので、口ベタな私は中々成約が取れなかった。そこで考えたのが著者と同じ現金を支払うアイデアであった。数ある新聞拡張員よりも、私から買えば●●円のキャッシュバックがありますよ、と購買を渋るお客に伝えて、こんなチャンスは今だけですとアピールして成約にこぎ着けた時の充実感は今でも忘れていない。
そして同じマンションの友人も紹介してもらい、その時だけで二軒の成約に成功した。

払った現金よりもバイト先からの報酬の方が遥かに高い。もしキャッシュバックキャンペーンをしてなければ得られなかった報酬である。
結果は上々。後はこれをどうやって宣伝するかを考えていた。ただ同僚に話した所、それは違法との事で断念せざるを得なかった。ビール券や商品券等よりお得感のある何か…違法ではなくお客が契約したくなるような何かを閃いていれば、そのバイトで大金を稼げていたと本書を読んで思い出しました。大事なのは気づきと発想、そしてやれる事は惜しみなくする努力だと著者は語りかけている。

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